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連載:初心者のための印刷基礎

PP加工とパウチ加工って何?印刷物の表面加工の違いを知ろう 
PP加工とパウチ加工
印刷物の表面加工として多く使用される「PP加工」と「パウチ加工」
何気なく使用していますが、実は違うものなのです。

今回は、「PP加工」と「パウチ加工」の違いをご紹介。
お互いの特性を理解し、用途に合った適切な表面加工を行いましょう。

PP加工とは?


PP加工とは、ポリプロピレン(polypropylene)という素材を使用した加工方式です。
ポリプロピレンは、屋外ポスターなどに使用されるユポ®という耐水性の強い用紙の原料にもなっている素材です。
身近なところでは車、家電、おもちゃ、文房具、さらには紙幣など様々なところで使用されています。

PP加工は、ポリプロピレンでできたフィルムと紙を、接着剤を使用して貼り合わせます。貼り合わせることによって耐久性、耐湿性が上がるため、雑誌や教科書など、冊子の表面加工に多く使用されます。



イロドリでは光沢のある「クリアPP」と、光沢を抑えた「マットPP」の2種類をご用意しています。

紙の表面に加工を行うため、色の発色に若干の変化が生じます。
どの程度の変化が生じるのか事前に確認したいとき、クリアPPの場合は「透明なセロハンテープ」を貼ることで簡易的に確認することができます。
一方マットPPの場合は、3Mが取り扱っている「Scotch®メンディングテープ」を使用することで確認することができます。PP加工を検討している方はぜひお試しください。

パウチ加工とは?


パウチ加工とは、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)という素材を使用した加工方式です。
PETと略されるポリエチレンテレフタラートは、誰もが知っているペットボトルの素材です。また、冬場に重宝するフリースの繊維にも使用されています。

パウチ加工はラミネート加工とも呼ばれ、印刷物を両面からポリエチレンテレフタラートでできたフィルムで挟み込み、熱圧着して加工を行います。



防水性が高く、飲食店のメニュー等で多く使用される加工方式です。

PP加工とパウチ加工の違いは?


2つの加工の大きな違いは、印刷物の端に透明なミミ(フチ)ができるかどうかです。



どちらも表面を保護するため水や汚れに強くなりますが、「PP加工」は表面のみの加工のため、紙の端部分は保護されていません。
そのため、水に触れると端の部分から浸水してしまうことがあります。

一方「パウチ加工」の場合、紙の両面から包み込み、周囲のフチの部分はフィルム同士が熱圧着されています。紙全体を包み込むように加工されているため、端から浸水してしまう可能性が少なくなります。

PP加工に比べてパウチ加工のほうが水や汚れに強いですが、パウチ加工を行った印刷物には耳がつくため、用紙のサイズよりも実際には6~10mm程大きく仕上がります。
さらにPP加工に比べると厚みが増し強度も上がるため、折り曲げたときに元に戻ろうとする力も大きくなり、取り回しもしづらくなります。

まとめ


PP加工とパウチ加工は似ていますが、用途や特徴に違いがあります。 2つの表面加工を理解し、適切な用途で使用しましょう。

こちらの記事もおすすめします!PP加工とパウチ加工の耐久性を検証してみました。
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