やってみた 印刷物であんなことやこんなことをやってみた、編集部の挑戦の記録!

連載:おもしろ印刷

漫画家に教わって漫画を描いてみた結果、難しいけどめっちゃ楽しいことが判明 
漫画家1
こんにちは。ライターのちょく(直)です。

ひどい顔してますが、決して機嫌が悪いわけではありません。訳あって徹夜で漫画を描いています。何で漫画を描いているかというと……私、TBSドラマの『重版出来!』にハマってるからです。

公式サイト
スクリーンショット 2016-06-14 17.11.53
http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/

とにかくこの『重版出来!』、めちゃくちゃ面白いんです。

【重版出来!が最高な理由】
漫画編集者と漫画家のお話……だけではなく、営業やデザイナー、書店員などの努力……夢を仕事にすることの苦悩や現実を描き、仕事と真剣に向き合う内容となっています。そして、才能や技量に悩む「天才」と「天才になれなかった人」や「過去の栄光に縛られ描けなくなった作家」など、クリエイターだけでなく、働くすべての人に刺さる内容になっていて、それはもう毎週涙ながらに見ています。あと、ヒロインの黒木華さんが可愛い。

僕は、漫画を描いたことは一度もないのですが、ドラマや原作を読んで、単純に「漫画家ってすごい!」と思いました。

ということで今回は……

漫画家02
漫画に挑戦します!

急に何? と思われるかもしれませんが、マジです。ドラマに感化されたのはもちろんですが、最近Webでも漫画って流行っていますよね。漫画家ってよくないですか? 「職業はなんですか?」と聞かれて「漫画家です」って言ってみたくないですか? 僕は言ってみたいです。

しかし、僕は完全に素人だし棒人間もろくに書けないくらい絵心が皆無です。

漫画家3
とりあえず、自分なりに頑張ってネーム(下書きのようなもの)を描いてみました。やっぱりアレですね。ヒドイですね。

このように何もかもが素人で先行き不安なので、今回は『重版出来!』にも出演した漫画家さんを助っ人としてお呼びしました!

とだ先生
とだ勝之先生です!!

とだ勝之先生 @katsudoren
代表作「あきら翔ぶ!!」「DANDANだんく!」「Mr.釣りどれん」「ホームセンターてんこ」など、多数連載。「マンガ図書館Z」で配信している、とだ勝之先生の作品はコチラから読めます。

プロの漫画家にネームを見てもらいます

ちょくさんのかお
「本日はよろしくお願いします! 早速ですが先生、『重版出来!』では、何話に出演されたんですか?」
とだ先生のかお
「第4話の出張編集部の回だね。エキストラだったけど」
ちょくさんのかお
「エキストラ……」
とだ先生のかお
「いや、でも結構大きく映してくれたんだよ。ちなみに、当日の様子を漫画にもした」
ちょくさんのかお
「おぉ、ホントだ……! とだ先生、毎週『重版出来!』が放映されている時間、共感ツイートしていますよね」
とだ先生のかお
「そうだね……あれはすごく刺さるのよ。僕は漫画家歴が28年目で、いろいろと経験してきたからね」
ちょくさんのかお
「ドラマを見てすごくハードなんだな、と思いました。今回、漫画にチャレンジするので、ぜひレクチャーを……!」
とだ先生のかお
「ちなみに漫画とか絵の経験は?」
ちょくさんのかお
「皆無です」
とだ先生のかお
「……大丈夫なの?」
ネーム確認
見よう見まねで描いた、4コマ漫画のネームを見ていただきました。

とだ先生に確認してもらうなんて
ど素人の僕のネームを、プロの、しかも子供の頃から読んでいた漫画家さんに読んでもらうという感動的なシーン……

漫画家04
というよりは、今までにない恥ずかしさと緊張とで気が気じゃない僕。僕はライターですが、記事を見てもらうのとは別の緊張感がありました。
とだ先生のかお
「うん……。これはネームというよりネタ出しに近いね」
ちょくさんのかお
「ネタ出しというのは?」
とだ先生のかお
「ネームの前の段階で、とりあえずやってみたいネタを洗いざらい出すこと。これは絵が云々というより、ネームにもなってないね」
ちょくさんのかお
「めっちゃズタボロに言われてる」
ちょくさんねーむ
超ど素人が描いたネーム。絵も字も汚い。

とだせんせいネーム
プロが描いたネーム。

しあげ
仕上げた後と仕上げる前。

ちょくさんのかお
「あ……すごい。すでにネームの時点で、構成やコマ割りがちゃんと描いてるんですね」
とだ先生のかお
「そうだね。ネームの描き方は漫画家それぞれだと思うけど、ワシはこんくらいまでやる」

おそわる
とだ先生のかお
「とりあえず読んでみたんだけど……。あれやね。日常系の4コマなんだよね?」
ちょくさんのかお
「そうです。僕の嫁さんを主人公にした夫婦生活をネタにしています。どんどんダメなとこ言ってください!」
とだ先生のかお
「わかりました。まず、ネタが薄い。4コマは、起承転結が要なのは知ってると思うんだけど、この漫画はずっと『承』のまま。そしてオチが弱い。日常系の漫画でもあくまで漫画なんだから、漫画のネタとしてどう見せるかを考えなきゃならん。あと絵も字も汚い。『ネームは汚くていい』みたいなイメージがあるかもしれないけど、読めなきゃしょうがないから」
ちょくさんのかお
「な、なるほど……。確かに日常をそのままネタにしちゃっていました」
とだ先生のかお
「そうでしょ? あと、こういう日常系は別の視点の主人公を置くと話を作るのが楽だよ。ペットは飼ってる?」
ちょくさんのかお
「そうなんですか? 猫を飼ってますが……」
とだ先生のかお
「いいね。じゃあ猫を主人公にして作った方がいいよ」
ちょくさんのかお
「なるほど! 確かにそっちの方が漫画っぽいかも」

ねこ
「試しに猫を描いてみて」と言われて描いてみるけど下手すぎて絶望しました。
とだ先生のかお
「あんまりリアルに描こうとしない方がいいよ。4コマ漫画だし、何より元から絵が上手くないでしょ?」
ちょくさんのかお
「……はい」
とだ先生のかお
「漫画なんだから、ちょっとデフォルメして可愛く描けばいいんだよ。特に目。目を大きくして、鼻と目の位置を近くに書くといいよ」
ちょくさんのかお
「おぉ……そういうの教えてください! 完全ど素人の下手くそ野郎なので、絵を描くコツとか……!」
とだ先生のかお
「ワシの描き方だけど、多少は形になるような描き方を教えます」

とだ先生流!素人でも形になる、キャラクターの描き方

とだ先生ねこ
ちょろっと描いてもらった猫。既にキャラクターっぽい。
ちょくさんのかお
「キャラクター感が出て可愛い! リアルに描こうとするとダメなのか……」
とだ先生のかお
「こういう言い方はアレだけど、絵が上手くないならデフォルメして描けば多少は誤魔化せる。あとは、数を重ねて自分の描き方を見つけること」
【ど素人が絵を描くコツ①】
・絵が下手ならリアルに描こうとしないでデフォルメしろ!

説明してもらったよ
リアルに描こうとすると気持ち悪くなる、というのを絵で表してくれるとだ先生。人間のキャラを描くコツは? という問いには、「鼻は描かないこと。特に4コマみたいなギャグ漫画だったら鼻に特徴つけないなら描かなくても大丈夫」と言っていて「なるほど」と思いました。

【ど素人が絵を描くコツ②】
・鼻は描かないほうがいい

かお!
キャラを動かすのは「人形のような点と線を想像し、動かす」と、「表情は眉毛と目で大体表現できる」と何パターンか教えてくださったんですが、「見たことあるー!」と一ファンとして興奮してしまいました。

【ど素人が絵を描くコツ③】
・キャラを動かすには人形をイメージする
・表情は眉毛と目で表現できる

わあ!
他にも身体や顔を描くコツとしても、「どの角度かを想像する。立体の長方形を想像し、そこから身体を作る」という高等技術も教えてもらいました。「まぁでもたぶん最初は難しいだろうからやんなくていいよ」って言っていました。絵を描くってすごい……。

ちょくさんのかお
「色々とキャラを描くコツを教えていただいたのですが、凄いですね……! 改めて『漫画ってすげぇ!』と思いました」
とだ先生のかお
「本当は持ち込みをするとき、編集者にもわかるようにキャラ表とかも作るんだけどね。あと何回も言うけど、漫画家にはそれぞれのやり方があるのよ。今回教えたのはワシのやり方であって、描いていくうちに自分のやり方というのが出てくるもんだよ。上手いって言ってくれているけど、ワシだって人によっては『絵が古い』と言われることもあるんだからね」
ちょくさんのかお
「それでもど素人の僕がちょっとずつ形になってきているんですから、やっぱりすごいです……」
【とだ先生に教わったど素人が絵を描くコツのまとめ!!】
・ネームは汚くても読めなきゃしょうがない
・絵が下手ならリアルに描こうとしないでデフォルメしろ!
・鼻は描かないほうがいい
・キャラを動かすには人形をイメージする
・表情は眉毛と目で表現できる


ツーショット!
ということで、とだ先生に漫画を教わりましたー! とだ先生、ありがとうございました!!

「漫画家入門セット」を手に入れて、漫画を描きます

冒頭に戻るよ
ということで、冒頭に戻ります。

漫画ど素人の僕ですが『重版出来!』に感化されて漫画を描いているわけです。

ひゃー
画材店で買った漫画家入門セットで漫画を描きます。ペンやA4サイズの原稿用紙が入ってて便利!

便利!のコピー
「ペン入れやベタ塗り(黒く塗りつぶすこと)ってこんなに大変なの……?」と思いながら、作業を進めます。

慣れない作業で大変だよ
慣れない作業で戸惑いながらも、5ページ仕上げるのに……

夜が明ける
いつの間に夜が明けてしまいました。時間が経つのを忘れるぐらい、描いてて楽しくなってました。漫画って難しいけど、楽しい。

おつかれさま
ということで朝日とともに何とか原稿を完成させました。顔が死んでるのは、眠いか元からかどちらかです。

原稿ができたので皆さんにお披露目……したいところなんですが、せっかく原稿を完成させたので、

マジだよ
出版社に持ち込みんでみようと思います。

マジです。よーし、応募するぞー!

え???
「あれ……?」

おいおい


A4で描いちゃった
「A4で描いちゃった……」

なんということでしょう。賞に応募するにはB4の原稿じゃないとダメらしいです(後から聞いたら当たり前のことらしいです。すいません)。ですから、ちゃんと描き直してから、応募と編集部持ち込みをします!!


ということで、次回に続きます!
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