やってみた 印刷物であんなことやこんなことをやってみた、編集部の挑戦の記録!

連載:おもしろ印刷

小さくても本格的!大人の科学「小さな活版印刷機」で印刷してみた! 


先日、イロドリのオフィスにこんなものが…



実はこれ、学研の「大人の科学マガジン」シリーズについてくる付録、「小さな活版印刷機」というもの。20㎝程度の小さな機械ですが、ちゃんと印刷をすることができる正真正銘「活版印刷機」なのです。

活版印刷とは?

活版印刷とは、「活字」と呼ばれる金属でできたハンコ状の文字を1字ずつ組み合わせ、文字の凸出っ張り部分にインクをつけて印刷する印刷方法です。

ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベット・記号などを、1文字ずつハンコ状にしたものを「活字」と呼びます。最近では小説や雑誌などのことを活字と呼ぶこともありますが、もともとは活版印刷に使用するハンコ状の文字のことを呼んでいました。



活版印刷は11世紀に中国で生まれ、その後15世紀中頃にドイツのヨハネス・グーテンベルグによって金属の活字を用いた印刷技術が発明されたと言われています。
中国や日本などの漢字文化圏では、漢字、ひらがな、カタカナなど膨大な活字の量が必要になるためにあまり定着しませんでしたが、26文字のアルファベットを組み合わせることで文章を作れることもあり、活版印刷は欧米諸国で広く普及していきました。

活版印刷の特徴

活版印刷機を用いた印刷物には、イロドリをはじめ多くの印刷会社に導入されている「オフセット印刷機」には無い独特の風合いがあります。

オフセット印刷は大量の印刷物に適した印刷方法のため、何千枚と印刷をしても、同じ印刷物を同じ品質で生産することができます。

活版印刷の場合、インクの量、インクのムラ、版を押し付ける圧力、活字の使用頻度によるカスレや傷など様々な要因から、1枚1枚同じデザインでも表情の異なる印刷物が出来上がります。
近年では活版印刷ならではの独特の風合い、オフセット印刷にはないアナログ感や温かみなどから、表現方法の一つとして活版印刷の良さが改めて見直されています。

実際に刷ってみた

というわけで「小さな活版印刷機」で実際に印刷してみました!
ひらがな、数字、アルファベットの活字がついてくるので、簡単な文章や単語であれば組み合わせて作ることができます。紙やインク、さらには専用ドライバーまでついてくるので、特別な準備は必要ありません。組み立てたらすぐに印刷することができます。

小さな活版印刷機に活字、インク、紙をセットして…



印刷したものがこちらになります!



カスレやにじみ具合がいい味を出しています。「r」や「d」のカスレ具合がオシャレですね。



実際に印刷したものと、使用されているフォントを見比べてみるとこんなにも違います。

元々のすっきりとした文字の形もステキですが、印刷した文字には活版印刷ならではのカスレやにじみが出ていてどちらも異なった良さがありますね。

ちなみにひらがなに使用されている「秀英明朝」は、大日本印刷株式会社の前身である秀英舎が、実際に活字として使用していた書体をベースに作られた100年以上の歴史のあるフォントです。

アルファベットに使用されている「century」は、センチュリー・マガジンという雑誌の専用書体として1895年に作られたフォントで、こちらも100年以上の歴史があります。
Windowsの標準フォントとしてインストールされており、オーソドックスな欧文フォントとして使用されています。

まとめ

今回は付属の白い用紙と黒いインクで印刷を行いましたが、インクの色や用紙を変えることでもまた異なった雰囲気が生まれます。
気になった方は通販サイトや書店にて探してみてはいかがでしょうか。

また「活版印刷を依頼したい」なんて時にはもちろんイロドリが手配をさせていただきます。
独特の風合いとオリジナリティをもった名刺やメッセージカードを作ってはみませんか?
サイトに載っていない商品でも、ご対応させていただきます!

サイトにない印刷物もイロドリへご相談ください!
ご相談

学研ムック 大人の科学マガジンシリーズ
「大人の科学マガジン 小さな活版印刷機」
A4変型判/56ページ/2017年12月15日発売
URL:https://otonanokagaku.net/magazine/vol45/book.html
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